277 過去29年間、米国カンザス州東部に広がるトールグラス・プレーリー(丈の高い草が広がる草原)の同じ区画を年2回ずつ歩き、見つけうる限りの植物種を集計してきた科学者たちがいる。その目的は、アメリカバイソンと家畜のウシが生態系に与える影響を、これらの草食動物がいない同様の区画と比較して明らかにすることだった。 暑くて、根気のいる、ダニだらけの仕事だが、とても重要な仕事だ。かつてトールグラス・プレーリーは南部のテキサス州の大部分から、さらにカナダ南部にまで広がっていた。それが今やかつての4%しか残っていない。腰から頭までの丈のイネ科植物、広葉草本、花を咲かせる草が支配するこの生態系は危機にひんしている。 そして今、ほぼ30年にわたる努力とデータが、驚くべき結果を示している。学術誌「米国科学アカデミー紀要」に8月29日付けで発表された論文によれば、バイソンが草を食べていたトールグラス・プレーリーの区画では、約30年間で在来植物の種の豊かさが86%も上昇していたという。 匿名さん2022/09/03 17:581