094 再生 その6 雨はやまない。 天からブシャーーッと降り続いた。 緑の雨粒は茶色の塊に降り注ぎ、やがて 茶色の塊となったニセモノは沼化した床の底に沈んでいった。 「ニセモノは永久に沼の底よ」 天から高笑いが聞こえる。 しばらく沈黙が続き、案内人のロストウェルダムが吊るしたタライを楽器のように打ち鳴らした。 ジャァーーン! 「さぁ中へどうぞ」 扉が開くと、真の鍵を手に黒伝馬にまたがった男がいた。 ホンモノ2024/07/27 10:311Vnp4JL71s2
108 >>94 再生 その7 黒い馬は蹄を鳴らし、部屋の中へ進んだ。ひとりの男を乗せて。 馬は部屋は沼化した部屋の中央まで進んできた。 案内人が言った。 「ソコワキケンデスヨ」 馬はわずかに足を取られたがそのまま進み続けた。 グワ、グワ、グワ、、、 気がつくとニセモノが沈んだ沼地は消え、そこは草原のようになり、通気口から風が拭き始め、壁一面、海辺の景色が映し出された。 匿名さん2024/07/28 17:001Vnp4JL71s2