213 再生 その13 女は鏡で造られた舞台の上でその正体を現した。 小屋の中から猿たちは息を殺してその様子を見物している。 尾の先から松明のような炎を湧き上がらせながら、女狐は舞台の上を縦横無尽に走り回った。そしてピタッと止まると、金色の尻尾と炎を揺らしながら、草原で笛を吹いていた旅人にゆっくりと近寄ってこう言った。 「さぁ、貴方もその仮面を外しなさい」 笛の音が止まる。 旅人は立ち上がり、ゆっくり真ん中の舞台に上がった。 「よかろう。」 旅人は両手を使い、白い仮面をゆっくりと外した。 風は止み、すっかり日は落ち、辺りはうす暗くなっていた。 倍満汁2024/09/23 22:452Vnp4JL71s2
221 >>213 つづき 再生 その14 男はゆっくりと仮面を外した。 「まさか、お、おまえは、、、」 仮面の下からは眩しく輝く顔が現れ、次々と鎧を脱ぎ捨てると金色に輝くヒトが、そこに立っていた。 「まさか、、ネハンか⁈」 「ネハンガココニヤッテクルナンテソウテイガイデスヨ!」 女狐、案内人、そして見物猿らは驚きを隠せない。 「ハッハッハッハッ」 ネハンらしき男の笑い声が響き渡る。 女狐は自ら尻尾の炎を大きくした。 「おぃ、よく見てみろ!」 小屋の窓から顔を出していたひとりの猿が叫んだ。 倍満汁2024/09/28 18:0511Vnp4JL71s2