119 >>108 再生 その8 心地よい潮風がどこからともなく吹いている。草原化した床が少し波打っている。 360度、見渡す限り穏やかな浜辺だ。 そして、天から声が降る。 「さぁ、この光景をよーく脳裏に焼き付けておくのよ。」 すると、3Dの小屋の中から猿たちがワサワサと集まりだし、中央にいる黒伝馬に乗った旅人を見つけると一斉に頭の中に埋まっていたスマホ引っ張り出して旅人に向けてかざし始めた。 旅人は少し驚いたが、手を振ったり微笑んだりとポーズを決めてみせた。 猿たちは、次々とかざしていたスマホを湯船のタオルのように頭の上に乗せだした。 彼らの頭の上では、ジュワーーッと肉が焼けるような音がし、湯気が湧き上がった。そしてスマホは再び頭の中に吸い込まれていった。 その一連の動作が終わると猿たちは満足そうに手を叩いた。 匿名さん2024/08/04 08:401