012 ゴジラ−1.0 「俺だって、そうしてやりたかった」 「じゃあなんでだよ?」 敷島は、言うか言うまいか、しばし悩んだが、新生丸のメンバーには聞いてほしいという気持ちが勝った。 「俺の…戦争が終わってないんです」 敷島にまとわりついている闇の深さを悟って、新生丸メンバーは黙り込んだ。 数日後、野田の一報を受けて、郊外の格納庫に敷島がバイクを飛ばしてきた。 「戦闘機あったんですって?」 「ええ、でもかなり特殊なやつで…」 野田の合図で、助手達が目の前の物体からかぶせてあった布を剥いだ。 舞い上がる埃の中に、その奇妙な形の戦闘機が鎮座していた。 (・_・) 匿名さん2024/11/18 00:20
013 大甲子園 「ただひとつだけ計算してやってたのは、いろんな出版社に描いてる高校野球漫画の、高校3年の夏だけは全部残したこと」 「それは、先へ行って『大甲子園』ってタイトルでこの連中を一同に会させて、夏の大会を描きたかったから」 以上は後年の水島先生の弁で、このことは『週刊少年チャンピオン』の連載当時も表明されていた。 それだけ先生は周到だったわけだが、実は僕はこの前から「『ドカベン』は3年春のセンバツで終わりなのか」「『球道くん』は最後の夏を描かないの?」と、各作品の高3の夏が手つかずだと気づいていた。 思えばそれぞれの舞台はすべて異なる県である。 それだけに『大甲子園』によって水島高校野球ワールドの頂上決戦が実現することには気持ちが高ぶった。 (・_・) 匿名さん2024/11/18 00:43