191 >>187>>188 布袋大仏が”サングラス”をかけるようになったのは 『(名鉄犬山線の)布袋駅周辺の再開発によって、鉄道の高架化になったことがきっかけとなっていた。現在の場所に(踏切の)信号が設置されたのが2010年』 2010年に中1? すると、今は27歳? あんまり笑わせんなよな。。。 匿名さん2024/09/23 22:04
192 再生 その3. 旅人が門の前に立つと自動的に巨大な扉がギギーっと開いた。 石畳をゆっくり進み、建物の中に入る。 昼間だというのに、やけに冷んやりしている。 薄暗い空間には、狼の剥製やマネキンのようなロボット、ケンタウロスの彫刻、錆びついた鎧などが、埃にまみれたまま所狭しと飾ってある。 「主はどこだ?」 壁に掛けられた古めかしい肖像画の口が動いた。 「奥の部屋へどうぞ。」 匿名さん2024/09/23 22:04
193 再生 その4. オートマティックに扉が動くと、そこにはピエロのコスプレをした案内人らしき人物が立っていた。 「ヤァヤァ、オヒサシブリデス」 案内人はパントマイムのような動きで旅人を出迎えた。 「私を知ってる?」 旅人は返した。 「ワタシヲオボエテナイノデスカ?ホラ、チョウドヒャクネンマエ、バスエノイザカヤデ、サケヲノンダナカデワアーリマセンカ」 「あんた、いったい何歳なんだ?」 「エー、セイカク二モウシマスト、ハッセンイチネン、カドウシテオリマス。」 「あんたロボットか?」 「ロボット?ロボットニワ、タマシイワヤドッテナイデスヨ、アレワソウササレテイルダケデス。ワタシワタマシイガヤドッタ、”ヒト”トオナジデス。」 「なるほど。で名前は?」 「トウジノナワ、タライ、タライハカセトヒトワヨビマシタ。イマワ、ロストウェルダムデス。ソンナコトヨリ、サァタケルサン、オクヘドウゾ」 匿名さん2024/09/23 22:08
194 再生 その5 ロストウェルダムと名乗る案内人は、旅人に扉のカギを手渡した。 「サァドウゾ」 旅人がその鍵を使い中に入ろうとするが、差し込んだ鍵は左右どちらにも動かない。 再び、何度も試みるが全く回る気配がない。 「回らないぞ。」 旅人は案内人に尋ねると、彼は言った。 「アナタワニセモノノヨウデスネ」 「どういう意味だ?」 「タケルサンホンニンナラバ、コノカギデヒラクコトガデキルハズデス。」 「は?俺は主に直接、呼ばれてここまで来たのだぞ、早く本物の鍵を渡せ!」 案内人が笛を吹くと、ライフルを構えた警備隊が現れ、あっという間に囲まれた。 匿名さん2024/09/23 22:10
195 再生 その6 「このまま偽物を野放しにしとくわけにはいかないわね。」 上の方から主らしき声が降ってきた。 「ほ、本物の鍵をくれぇぇ」 旅人はひざまづいて震えている。 「偽物さん、サヨウナラ。」 主の一声で一斉にライフルから緑色の液体が放たれる。 ブシャーーーッ! 液体を四方八方から浴びた旅人は、まるでマトリョーシカのように、大小の様々な顔を見せながらゆっくり溶け出した。 タケルの顔から四角いロボットに変化し、何かを叫ぶようなスーツを着たサラリーマンに変化し、コピーマーシーンのような機会の形になり、やがて爬虫類の一部となって口を大きく開いたかと思っまら、最後にはただの茶色の塊となっていた。 その無様な様子を案内人は悲しい顔で見つめていた。 匿名さん2024/09/23 22:15
196 再生 その6 雨はやまない。 雨は天からブシャーーッと降り続いた。 緑の雨粒は、ゴツゴツした茶色の塊に降り注ぎ、単なる塊となったニセモノは沼化した床の底にブクブクと沈んでいった。 「ニセモノは永久に沼の底よ」 天から高笑いが聞こえる。 しばらく沈黙が続いた後、案内人のロストウェルダムが、天井から吊るしたタライを楽器のように打ち鳴らした。 ジャァーーン! 「さぁ中へどうぞ」 入り口の扉が開くと、真の鍵を手にした黒伝馬にまたがった男がいた。 匿名さん2024/09/23 22:17
197 再生 その8 黒い馬はひとりの男を乗せ、蹄を鳴らして部屋の中へ進んだ。 馬はゆっくりと沼化した部屋の中央まで進む。 案内人が言った。 「ソコワキケンデスヨ」 馬はわずかに足を取られたがそのまま進み続けた。 グワ、グワ、グワ、、、 気がつくとニセモノが沈んだ沼地は消え去り、そこは草原への変化し、通気口からは風が拭き始めた。 そして辺り一面に海辺の景色が映し出された。 匿名さん2024/09/23 22:20
198 再生 その9 心地よい潮風が草原を揺らして波をうつ。 360度、見渡す限り穏やかな浜辺だ。 そして天から声が降る。 「さぁ、この光景をよーく脳裏に焼き付けておくのよ。」 すると、3Dの小屋の中から猿たちがワサワサとやって来た。 中央にいる黒伝馬に乗った旅人を見つけると、彼らは一斉に頭の中に埋まっていたスマホ引っ張り出し、旅人に向けてかざし始めた。 旅人は少し驚いたが、手を振ったり微笑んだりとポーズを決めてみせた。 猿たちは、次々とかざしていたスマホを湯船のタオルのように頭の上に乗せだした。 彼らの頭の上では、ジュワーーッと肉が焼けるような音がし、湯気が湧き上がった。そしてスマホは再び頭の中に吸い込まれていった。 その一連の動作が終わると猿たちは満足そうに手を叩いた。 匿名さん2024/09/23 22:23
199 再生 その10 夕暮れ時だろうか、馬から降りた旅人は、白く艶やかな貝殻から造られた笛を取り出し、どこかで聞き覚えのあるメロディーを奏で始めた。 すると空の高いところから楕円形のゴンドラが降りてきた。 そのゴンドラには言葉を失うほど美しい女性が立っていた。 夕日に染まる草原では、トンボや蝶々や蜂が軽やかに飛んでいる。 彼女はそっと歌い始めた。 ♪波の旋律であそぶ私の世界へようこそ ♪ララララ〜 目を覚ますと、彼女はステージにいた。 匿名さん2024/09/23 22:28