042 再生 その3. 旅人が門の前に立つと自動的に扉が開いた。 石畳をゆっくり進み、建物の中に入る。 昼間だというのに、やけに冷んやりしている。 埃っぽい空間にはら狼の剥製やマネキンのようなロボット、ケンタウロスの彫刻、錆びついた鎧などが所狭しと飾ってある。 「主はどこだ?」 壁に掛けられた巨大な肖像画の口が動いた。 「奥の部屋へどうぞ。」 倍満汁2024/07/21 09:11Vnp4JL71s2
043 再生 その4. オートマティックに扉が開くと、そこにはピエロのコスプレをした案内人らしき人物が立っていた。 「ヤァヤァ、オヒサシブリデス」 案内人はパントマイムのような動きで旅人を出迎えた。 「私を知ってる?」 旅人は返した。 「ワタシヲオボエテナイノデスカ?ホラ、チョウド100ネンマエ、バスエノイザカヤデ、サケヲノンダナカデワアーリマセンカ」 「あんた、何歳なんだ?」 「エー、セイカク二モウシマスト8001ネン、カドウシテオリマス。」 「あんたロボットか?」 「ロボット?ロボットニワ、タマシイワヤドッテナイデスヨ、アレワソウササレテイルダケデス。ワタシワタマシイガヤドッタ、”ヒト”トオナジデス。」 「なるほど、名前は?」 「トウジノナワ、タライ、タライハカセトヒトワヨビマシタ。イマワ、ロストウェルダムデス。ソンナコトヨリ、サァタケルサン、オクヘドウゾ」 倍満汁2024/07/21 09:36Vnp4JL71s2