124 いったいなぜ娘婿にそれほどの恨みを抱いていたのか。今年3月に東京地裁立川支部で開かれた裁判員裁判では、自転車をめぐる“一方的な思い込み”が根底にあったことがわかった。 ●娘婿への3度目の襲撃だった 被告人が娘婿を襲撃したのはこれが初めてではない。3回目だ。一度目は娘婿らの住む家に赴き、コンクリートブロックを窓ガラスに叩きつけて割り、警察沙汰になった。二度目は、娘婿の実家敷地で催涙スプレーを噴射したという。このとき傷害罪で起訴され、立川支部にて執行猶予判決を言い渡されていた。今回は、執行猶予中に起こした事件となる。 前回の傷害罪での裁判のとき、被告人は「今は、殺さずに済んでよかったと思っていますし、恨んでいません」と述べていたという。にもかかわらず、3度目の犯行に及んだ。当時の法廷での言葉について検察官に質されたとき、被告人は堂々とこう答えた。 「そういうこと言ってたね。建前と本音と、使い分けましたね」 二度目の犯行時の反省は“建前”で、実際には娘婿を恨み続けていたことになる。そこまでの強い恨みを抱くようになった出来事を問われると、被告人は語り始めた。 ロド2022/11/11 00:48hRxI7CN54Qr7