635 >>628 【空想終着駅】 その30 コミカルなロボットダンスを披露していたタンバリン2号。 しかしその時、上空を旋回していた太った鳥が勢いよく降下してきた。 鳥はガバッとタンバリン2号の頭を鷲掴みにし、そのまま顔だけを引きちぎって顔を掴んだまま急上昇して空の彼方に消えていった。 あまりの突然の出来事に唖然とする観客たち。 顔が無くなったタンバリン2号の首からは、配線コードや鉄製の骨や部品がなどが剥き出しになった状態に。 それでもロボ人間の彼はコミカルなダンスを続けた。 あまりにもシュールな光景だ。 「こ、これが宇宙世紀の舞台か…」 「ここまで進歩したのか…」 女王様は顔が無くなったタンバリン2号の手を取り抱きしめた。 『VOYAGER〜日付のない墓標』♫のカラオケが流れ出すと、舞台の端で馬になったまま放置されていたタケが歌い出した。 ♪ 傷ついた友達さえ 置き去りにできるソルジャー あなたの苦しさを私だけに つたえていってほしい 匿名さん2022/05/28 17:041
647 >>635 続き【空想終着駅】 その31 タケノ馬による熱唱が終わる頃、舞台の端からものすごくいい匂いがして立ち込めてきた。 宇宙ブルマ隊が熱々の大きな鍋を台車に乗せて運んで来た。 そして舞台から大型扇風機が回され、その鍋のいい匂いは客席まで運ばれた。 「いい匂いだ。」 「とびきりのスープみたいだ。」 蝶ネクタイをした司会役のジョーが再び登場して言った。 「紳士、淑女の皆様、只今から人類最後の晩餐会の始まりです。まずはこの素晴らしい濃厚なスープの香りをご堪能ください。」 スープの次は神秘貝の網焼きショーが始まり、香ばしい醤油の匂いが会場に広がった。 「おい、おい、匂いだけ?」 「俺たちゃここでいい匂いを楽しむだけなのか?」 「こりゃ拷問に近いよ。」 客席がザワザワし出した。 「シンパイゴムヨウです。ドアップ画像を転送しまショウ。」 そして客たちの脳内スマホに「アゲアシドリの骨から取った出汁」の画像、「醤油をかけジュワッと焼かれる神秘貝」の画像、「マグロの頭の照り焼き」の画像など、舞台に出された美味しそうな匂いの料理のドアップ画像が次々と送られてた。 実験小説公式2022/05/28 21:53Z8OAm7jjpI