071 さて、NR500はホンダの若手エンジニアによって開発されましたが、それまでのGPのエンジニア達は何してるの?と思うかもしれません。実はかつてのGPエンジニア達は1965年の夏に発足した“大気汚染研究グループ”に動員されます。大気汚染研究とは言っていますが、当初は自動車の排ガスの問題だけでなくロータリーエンジンやガスタービンエンジンの開発、アルコール燃料や水素エンジンの研究も視野に入れたグループでした。 匿名さん2014/06/25 21:20
072 しかしアメリカでマスキー法の発表があると宗一郎さんから具体的な指示が出ます。それは排気対策はエンジン本体の燃焼改善によって成されるべきで触媒などの後処理に頼ってはいけないというものでした。 匿名さん2014/06/25 21:22
075 突破口はある論文を読んだことでした。1969年に発表されたソ連の物で「過薄混合気を使用する火花点火機関における実験」というもので、燃焼室に副室を持つガソリンエンジンに於ける燃焼状態の報告が取り上げられていました。 匿名さん2014/06/25 21:30
076 論文では試験的に製作されたエンジンの燃焼状態の報告に終始していたのですが、ホンダのエンジニアは1つの燃焼室に二種類の混合気を送りこんでいることに注目。これを利用して燃焼状態をコントロールしようと考えたのです。 匿名さん2014/06/25 21:33
077 結果としてこの発想は正解で、多くの試作エンジンで幾多の試験が行われ理想的な燃焼室形状が生まれます。誕生したエンジンはアメリカのビッグスリー(GM、フォード、クライスラー)が委員会にマスキー法の施行停止を求める中で同法をクリア、世界に衝撃を与えるのです。 匿名さん2014/06/25 21:38