014 広島県世羅町。岡山県との県境に近い山間の町で「一家全員がペットの犬と共に失踪」という不可解な事件が起こった。 失踪したのは同町に住む山上さん一家。山上さん宅は建設会社勤務:政弘さん(58)、妻:順子さん(51)、山上さんの母:三枝さん(79)、の3人暮らし。他に愛犬の「レオ」が一緒に暮らしていた。小学校教諭の長女:千枝さん(26)は竹原市内にアパートを借りて独り暮らしをしていた。 概要2012/09/08 06:30
015 千枝さんは、二十歳のときにはミス世羅の「'95フルーティーせら」にも選ばれていた。事件が発覚したのは、2001年6月4日。この日は順子さんが勤める会社の中国への社員旅行の出発日だったのだが、集合時間になっても現れない順子さんを心配して迎えにいった同僚が、誰もいない山上さん宅の異変に気づいた。山上さん一家は忽然と姿を消してしまっていた。 概要2012/09/08 06:31
016 朝5時ごろに、新聞配達員が訪れたときには、正弘さんの車がなく、すでに家中に人の気配もなかったという。親族から捜索願いをうけ、広島県警甲山署は機動隊やヘリコプターを動員して付近を捜索するも、一家の姿を見つけることはできなかった… 概要2012/09/08 06:32
017 奇妙な状況 失踪時の山上さん宅について以下の奇妙な状況が幾つも重なっている。玄関の鍵は締まっており、侵入や争った形跡、血液反応もない。ただし勝手口の鍵は開いていた。順子さんのバッグには、旅行代金15万円が入ったまま残されており、一家の定期貯金も手つかずのままである。山上さんの車がなくなっていたことから、その車で出かけたと思われるが、 概要2012/09/08 06:33
018 順子さんと千枝さんの携帯電話と免許証、政弘さんのポケベルも置いたままである。玄関からは4人分のサンダルが無くなっていたが靴はそのまま。順子さんが行くはずの旅行に持っていくであろう鞄が準備されていた。またパジャマが見当たらず普段着が畳んであったことから、サンダル履きのパジャマ姿でほとんど何も持たず家を出たことになる。 概要2012/09/08 06:34
019 蒸発するにしてはあまりにも不自然な格好である。母屋の台所と廊下の電灯がついたままで、翌朝の朝食が虫除けネットをかけた状態で準備してあった。上記のことを考えると、失踪は想定外の突発的な出来事であったと想像できる。反対に、「拉致」という線で考えても争った形跡がない(前述)近所の人が争う物音を聞いていない。 概要2012/09/08 06:35
020 ペットの犬も一緒に姿を消してしまっている。(犯人が鳴き声など厄介が多い犬をわざわざ連れ出すことは考えにくい) と「失踪」「拉致」のいずれかで考えても、その動機が見当たらない。さらに、山上さん一家の周りには特にトラブルもなく、恨みをかうような人ではないと多くの者が証言している。 金銭的に困っていたという事実も出てこない。 概要2012/09/08 06:36